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認知症の母と私

 

私の母は「認知症」です

異変に気付いたのは、1年くらい前でした。

物忘れが頻繁になり、物を失くしたり、言葉も

「あれ、あれ何だっけ?」というのが増えていきました。

父からは「最近ひどいから、もしかしたら認知症になってる可能性も・・・

と聞かされました。

 

「認知症かぁ、忘れていく病気なんだよね」

「でもまさかね、歳だからじゃないのかな?」

と思っていましたが、母の症状はエスカレートする一方でした。

約束をしても「そうだったかしら?」。

「今日は出掛けているよー」と言っても「今、家の前に来てるのよ」。

噛み合わない会話が何カ月も続きました。

「これは、本当に認知症の症状かも・・・」

「もしそうだったら・・・」

ここで初めて、あれこれ考えるようになりました。

 

私は7歳と2歳の子育て真っ盛りのママです。

上の子と下の子の予定が合わない時など、以前は子守りのお願いも出来ました。

でも、約束を忘れてしまったり、話が噛み合わなかったり、

伝わっていないこともたくさん出てきました。

子どもを預けるのにも心配になっていき、

母への接し方もわからないまま、悩んでいました。

 

認知症と診断がでてから、知識のない私は

――これからのサポートは何をしていったらいいか?

――子育てと介護の両立は出来るだろうか?

――どういうふうに接していったらいいか?

不安しかありませんでした。

 

まずは、認知症を知ることから始めよう!と思い

私は、認知症を知る第一歩として地区センターで行われた

「認知症サポーター養成講座」に参加してきました。

 

 

認知症サポーター養成講座に参加

認知症サポーター」とは・・・

認知症について正しく理解し、偏見を持たず認知症の人や家族を温かい目で見守る応援者です。

 

サポーターは、認知症かなと思われる人や家族が困っていたら声をかけるなど、自分でできることを身近なところから考え、実践していきます。

 

一人でも多くの方が「認知症サポーター」になり、身近な家族や友人、自分自身が認知症になっても、今まで通り住み慣れた地域で、安心して暮らせるまちになることを目指していこうという内容でした。

 

 

講座に、父も誘いました。

はじめは「病院の先生にいろいろ聞いたから、行かなくても大丈夫だよ」

と言ってましたが、心の変化なのか「俺も一度聞いとくか!」と一緒に参加しました。

とても心強かったです。

(父と二人で出掛けることはなかなか無く、少し新鮮な気持ちでしたよ。)

 

この日の参加者は8名、中年者から高齢者が参加していました。

講師の方は2名、初期段階から、症状、種類、接し方、病院の選び方、相談窓口など、

パンフレットを見ながら、とても詳しくわかりやすく、教えてくださいました。 

 

認知症がどういった病気なのかを学んでから、 私が一番知りたかった接し方について学んでいきます。

 

ロールプレイで接し方を学ぶ

~認知症の人との接し方~


認知症がもし自分だったら、もし自分の家族だったら、

もし自分の大切な人だったら・・・

否定しないことを条件として、それぞれの気持ちを知るためにロールプレイをしているところです。

 

人~4人1組になり、認知症の人、子ども、孫の役に分かれて演じていきます。

物語の内容は、みんなで動物園に行ったことを帰って来てから夕ご飯の時間に話すというものです。

 

認知症の人は、夕ご飯の時間には動物園に行ったことを完全に忘れています。

子どもと孫は、一生懸命思い出してもらうことを心掛けながら話します。

 

みんなで演じていくと、それぞれの気持ちが見えてきます。

 

子どもと孫は徐々にイライラしていったり、

認知症の人は、思い出せない自分に落ち込んだり、怒ったり、泣いたり・・・

 

では、どうすれば双方が穏やかになれるか考え、

もう一度同じ話で、ロールプレイをしていきます。

 

子どもと孫は″動物園に行ったことを忘れている前提”で会話していくと、

先ほどの会話とは違って、みなさん穏やかな会話になっていました。

お互い傷つくことなく、楽しい時間となっていくんです。 

 

行った、行ってないが問題ではなく、認知症の人の話に合わせると、

双方が穏やかに会話ができるといいます

 

認知症の人との接し方には「ポイント」があるそうです。

認知症の人に合ったコミュニケーションの仕方も学びました。

私は、このポイントをもとに母との会話で実践しています。

 

~ロールプレイだからこそ~

ロールプレイを実際に体験して一番驚いたことは、自分の接し方と全然違っていたことです。

母の間違いを指摘して、否定するような言い方をしていました。

私は母を手助けしたつもりでした。

自分ではよかれと思った行動でしたが、

母にとっては苦痛だったかもしれない・・・と気付きました。

 

認知症の人が、周りの人にして欲しいこと、

して欲しくないことが、見えてきたような気がします。

 

実際に体験してみないと、気付かないものでした

これまでも、本や、ネットでも認知症について

調べたりもしましたが、情報だけでは見えない部分もありますよね。

 

ロールプレイは講座に参加しなければ体験できないので、

認知症の人の気持ちがより良くわかる貴重な体験でした。

 

私も変わりつつ・・・

講座に参加してからの接し方は私なりに変わりつつあります。

母との会話の噛み合わなさに不満があった私ですが、

認知症の病気の事、接し方やポイントを知ることができてから、

少しずつ余裕がでてきました。

 

最近の話ですが、母はうちに来るとき

「今日はみんないるのかしら?」と聞いてきます。

母の言うみんなとは、誰のことを言っているのかわかりませんが、

今は気にならなくなりました。

 

私はこう話します。

「今日は子どもと二人でいるよ」

「いつでも遊びに来てー」とだけ!

母も「じゃ、後で行くわね」

と会話もスムーズにいきました

話をわかりやすく、なるべく短くするようにしています。

 

 子どもの名前もよく間違えます。子どもたちは

「ばあば、また間違えてる」と言ってしまいますが、

「ママも間違えるときあるから~」

と言ったりすると、母もほっとしたように「ごめんね」

笑いながら言ったりしてくれるんです。

 

否定せず、優しくゆっくり話し、楽しい会話になるよう

心掛けることも出来てきました。

子どもたちを預けたりする事は難しくなってしまいましたが、

子どもたちと遊んでる時はとても楽しんでいるので、

おばあちゃんと遊ぶ事で孫との時間も母の中で楽しい記憶となる

といいなぁと思う様にもなりました。

 

近くですが、同居ではない私が母に出来ることは、

会った時の過ごし方くらいだと思うので、

接し方がこんなに大事なことだと、この講座を通して学ぶことが出来て良かったです。

 

不安なのは家族も同じですが、認知症にった本人が一番不安だといいます。

認知症でも楽しい人生であってほしいと思うので、

これからもいろんな場面で支えていこうと思います。

 

 

認知症サポーターキャラバンでつながる輪

 

このゴムの腕輪は

私は認知症サポーターです」

というものです。

(認知症サポーター養成講座を受講するともらえます)

 

横浜市でも2005年から取り組みを始め、地域住民、小、中、高等学校の生徒、商店街や金融機関など様々な方が認知症サポーターになっているそうです。

 

こうした「認知症サポーター」を養成する活動が

「認知症サポーターキャラバン」です。

 

この若葉台内での65歳以上の高齢者は約50%!!

認知症は″誰もがかかる可能性”のある脳の病気です。

年齢が高くなるほど発症する可能性が高くなるそうです。

     

若葉台内でも、認知症への理解が深まり、自分や家族がもし認知症になっても、

より安心して暮らせる優しいまちであると嬉しいですね。

 

家族はもちろんサポートしていきますが、周りの人にもきっと助けてもらう機会も増えていくと思います。

私もサポーターになった今、できるところから実践していきたいなと思います。

私は母の認知症がきっかけでしたが、興味のある方はぜひ認知症サポーター養成講座に参加してみてください!

 

(ともこ)

 

次回の認知症サポーター養成講座は4月11日(土)

若葉台地域ケアプラザで行われます。

 

若葉台内での講座は年に2回ほど行われています。

(会場はその都度違います)

 

また、個人でも講座を受けることができます。

仲間や、お友達同士、団体でも可能です。

(その場合は若葉台地域ケアプラザにお問い合わせください)