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赤ちゃんも大人も。みんなで作る図書館~本のある部屋SOLA~

 

「今日はSOLAに行くよ」

「...そら(空)ってどうやっていくの?」

 

3才の娘と手をつなぎ、こんな会話をしながら向かいます。

誰にとっても過ごしやすく、楽しい「SOLA」についてご紹介します。

 


 

「本が好きな子になってほしい!」

子どもを持つ親ならきっと多くの人が望むことではないでしょうか。

 

――でもどんな本がいいんだろう?

―実際に手に取っていろいろ見てみたい

――子どもにも自由に本に触れてほしい

 

そんな思いに応えてくれる、みんなの図書館。

それが「若葉台市民図書館 本のある部屋 SOLA」です。

“SOLA”ってなーに?

SOLAボランティアスタッフのみなさんにお話をうかがいました

 

 

本を借りるなら地区センターを思い浮かべる方も多いと思いますが、

若葉台には本に出会える場所が他にもあります。

その一つがSOLA。

4丁目の旧若葉台西中学校(以下、旧西中)の、図書室だった部屋を

利用して開設されました。

 

さて。「図書館の名前が“SOLA”ってどういう意味?」

とみなさん気になり始めたところではないでしょうか。

由来について教えて頂きました。

 

SOLAが目指しているのは、子どもも、大人も、お年寄りも、

全ての人たちが親しめ気軽に利用できる図書館、

そして何よりも、みんなで育てていく図書館です。

愛称はSOLA ( Social  Library for All ) です。

「学びと交流の場」にしたいという熱い願いを込めてつけました。

(2012年発行のしおりより抜粋)

 

そして、

『子供の声がある、大人の静かな会話もある、なごやかな図書館』

を目指す、ともあります。

 

SOLAは、本を選びながらあれこれ話したり、

その場で読み聞かせをしたり、親子で自然な会話が気兼ねなくできる

図書館なんです。

 

他の図書館であれば、私は声が大きいおてんば娘に

「静かに本を読んだりお勉強するところだからね、シーだよ!」

と、とにかく「静かにする」よう口説くのですが...

ここではその必要がありません。

「赤ちゃんが泣いちゃうかも」という遠慮も不要です。

 

子連れで図書館に入る前にはいつも身構えていましたが、

こんなにありがたいところが身近にあるなんて…!

誰もがなごやかに本を楽しめる、素敵な由来と目標に感動

してしまいます。

 

そう、SOLAはどなたでも大歓迎の図書館です!

 

 

SOLAの由来は他にも、2011年に若葉台が舞台になった「空の芸術祭」から

起因しています。空の芸術祭とは、ヨコハマトリエンナーレ2011の連携

プログラムとして開催されたイベントです。旧西中も会場の一つになりました。 

本との楽しい出会いがたくさん!

 

SOLAには子どもがよろこぶ魅力がいっぱい!

絵本コーナーは子どもの目線に合わせて横並びの低い本棚で設置

されています。

子どもは自分で読みたい絵本をどんどん手に取っていきます!

本棚の上には季節や行事に合わせたおすすめの絵本も並びます。

 

 

 

向かいには子どもサイズのベンチも。

子どもと一緒に座ってゆっくりと絵本を眺めたくなってきます。

我が家はいつも、ついついここで長居してしまいます。

 

元図書室なので広々しているし、1階の南側だから日当たりも良好。

「今日は『鬼滅の刃』ある~?」と、やってきた小学生と

スタッフさんがここから窓越しに会話をする、なんていうことも

あるそうですよ。

 


 

こちらは、2019年9月のおはなし会の様子です。

現在はお休み中ですが、通常は第三日曜に開催しています。

 

絵本の読み聞かせや昔懐かしい紙芝居、ペープサート(紙人形劇)などに

のせて、季節ごとに様々なお話を楽しめます。

 


 

おはなし会に参加すると、カードにスタンプを押してもらえます。

8個たまるとかわいい手作りプレゼントがもらえますよ。

子どもも大人も!楽しい図書館

 

SOLAでは登録をすればどなたでも本が借りられます。

初めての場合はここで名前、住所、電話番号を記入してカードを

作ります。

記入台には地域情報やおすすめ本の紹介もあるので必見です。

 

また、「あなたのおすすめ本をおしえてください」という投書箱も

あります。

「いろいろなかたちの はなびがあって おもしろいから」という、

すべてひらがなで書かれたかわいいコメントが元になり

『はなびドーン』という絵本が置かれたことがあります。

『鬼滅の刃』もたくさんの投書があって配架され、

常に貸出し中になるほど大人気です。

借りたい本が決まったらカウンターへ。ひとり3冊まで、2週間借りられます。

 

 

通常、図書館で本を借りるとなれば会員カードが必須ですよね。

でも小学生の子どもが本を借りにやって来て、カードをちゃんと

持っているとは限りません...。

SOLAでは、カードがなくても自分の会員番号がわかればOK。

もし覚えていなくても、名前と連絡先を記入すれば貸してもらえます。

 

子どもがまるで遊び場のようにやってきて、本に触れられる。

借りたい本があればすぐ借りられる。

少し硬いイメージがある図書館ですが、SOLAは子どもが本と

出会うのにぴったりの場所です。

 

子どもが利用しやすいことはもちろん、SOLAは大人にとっても

わくわくする場所です。

旧西中の蔵書が置かれているので、調べものや勉強にぴったり。

懐かしい学校の図書館の空気も相まってはかどりそうですね。

芥川賞、直木賞、本屋大賞受賞作品もそろっているので、

気になっていた話題の本も借りられます!

 

 

また、蔵書は旧西中の他にも地域の人から寄贈された図書が中心に

なっています。

子どもやお孫さんが大きくなって卒業した本が寄贈されたりするので、

親世代にとっては懐かしい本もたくさん!

自分が子どもの頃読んだ絵本や児童書に再会できるかもしれません。

私もアンデルセンの「赤いくつ」を見かけて、

「あ!これ読んだことある!」と思わず口に出してしまいました。

(しかも全く同じ絵柄だったので大興奮!)

 

様々なジャンルの本がそろっているので新しい発見も懐かしい

出会いもあり、大人にも魅力的な図書館ですね。

「SOLAに行こう!」と言って集まる場所に

2019年9月の写真。現在ソファーはありませんが、アフターコロナにはまた

こんなふうにくつろぎながら本を読みたいです♪

 

 

2012年の図書館開館前。

愛称を決めるのにスタッフのみなさんでこんな会話があったそうです。

 

「『空』っていうのはどうだろうか!」

「『空に行こう!空に行こう!』と言って来てくれるといいね」

 

開館の前年に開催された、空の芸術祭。

幸福度世界一のブータン王国首相も来訪し、空をテーマにした

作品で若葉台中が彩られました。

 

「『Social』には『社交』の意味もあるので、みんなが交流できる

場ということでどうだろう!」

 

熱い思いのこもった、素敵な愛称だと思います。

 

SOLAがこんなにも居心地の良い図書館なのは、他でもない

スタッフのみなさんのおかげです。

運営はVOSC(NPO法人若葉台スポーツ・文化クラブ)ですが、

実務を担っているのはボランティアのスタッフさん。

若葉台住民の方はもちろん、霧が丘や上川井など、近隣の方が

携わっています。

 

「みんなで育てる図書館を作ろう」という有志の方々のおかげで、

このようななごやかなSOLAができました。

 

まだSOLAに行ったことがない方はもちろん、

小さなお子さんのいるお父さん、お母さんにぜひ訪れてほしい

図書館です。

 

 

(みどり)


SOLA基本情報

 

 

開館曜日 火・木・土・日

     (祝日が重なった場合も開館)

時間   10:00~16:00

場所   旧若葉台西中学校

     コニュニティバス第3系統、6番下車

貸出し  1人3冊まで

貸出期間 2週間